balladtalk


魅惑の物語世界

「バラッド」は古くから英語圏に伝わる物語歌ですが、わたしたちが慣れ親しんでいる普通の文学の世界とは違った不思議な話の成り行きに戸惑うことが多々あります。それが不思議な魅力となって、わたしはもう40年近くもバラッドの虜になってきました。

一つ一つの作品を取り上げて、その不思議な物語の世界に皆さんをご案内したいと思います。皆さんからの反応に耳を傾けながら、毎月一話完結のゆっくりしたペースで書いてゆきます。

物語の内容に興味を持たれて、元々の原文を読んでみたいと思われる方には原詩を用意しました。原文はちょっと難しいので訳で読んでみたいと思われる方のために訳詩も用意しました。

バラッドは実際にうたわれてきたものです。フィールドワークで採録した歌や、コンサート歌手のうたうバラッドなども用意しました。また、特に19世紀に出版されたバラッドの本には、楽しい挿絵がたくさんあります。そのような挿絵や、わたしが現地で撮ってきたバラッドゆかりの土地の写真などもご紹介してゆきたいと思っています。

それでは、皆さん、魅惑の物語の扉を開けて、どうぞ中にお入り下さい。

ひとくちアカデミック情報
原詩:Francis James Childが編纂したThe English and Scottish Popular Ballads (Boston, 1882-98)をテキストとしている。
訳詩:『全訳 チャイルド・バラッド』全巻(中島久代・薮下卓郎・山中光義監修/バラッド研究会編訳、音羽書房鶴見書店、2005-06年)を使用している。一部、訳者の了解を得て、訳文に修正を施している場合がある。